CSR-NPO未来交流会 連携事例
講演-2(協働マッチング事例:行政・市民・学校・研究者)
都市型水際線公園を利用した新しい水辺活動の展開
坪倉 良和 /高島水際線公園愛護会 会長
高島水際親水公園は、帷子川の流域で、ちょっとした干潟ができる公園です。干潟にはカニ、ハゼ、ゴカイなどたくさんの生きものがいます。都会のなかの自然があります。まさにこの目で見ることができます。帷子川周辺でも、スズキ、かます、アジ、太刀魚などがいます。
勝手は、廃油が流されていた状態でした。今は本当に生きものが生息できるまでにキレイになっています。
本題に入ります。
まずは楽しみたいから公園愛護会を作ってきました。愛護会組織ならではできることがあります。それをご紹介します。
公園愛護会の中でできた一つ:小学校の環境学習会
河川河口・横浜港周辺の環境を感じる
この公園を利用したフィールドでは、近所地元の小学校課外授業で干潟を経験してもらい、実際の生きものを学ぶことを体験するのに活用されました。この経験をもとに子供たちが感じたことをまとめ発表会を行うまでになっています。こどもたちに来てもらって生きものがいることを体験していくと川や街を汚すのを止めたりする考えが生まれ環境にとって何が必要になるか周辺の人たちにも徐々に分かってきます。
都会の公園を感じる
都会の公園には柵があります。子供たちや近隣住民人、利用者にとり安全が優先されていますが、柵を考えることで、街や公園、水に近づく行為を自分の身近なこととしてとらえて、水辺をみんなが認識して親しむことが、都市型公園を考え、活用するのに非常に重要な意味を持ちます。
水際線公園をもっと活用して、子どもたちや市民が水辺に近づける工夫をしていきたい。
現在は、釣りも禁止となっているのが現状です。周辺環境は、マンションだらけになっています。
子どもたちと親が泊まれるキャンプ利用イベント
この水際公園を活用して、キャンプの企画を行いました。親子で体験できる機会を作って多くの方々に参加していただき、今の公園を活用した環境を体感して、自由に遊ぶためには、どう工夫したら良いか検討していって欲しいという気持ちが根底にあります。その時の企画が次に示したパンフレット「パークキャラバン」です。
2015年の10月3・4日に開催されたイベントは、都市公園が持つ機能と自然を組み合わせたプログラムです。キャンプや干潟遊び、SUP体験などを行い、みなとみらい周辺に住むファミリーの方々が単なる広場という認識から新しい都市型の公園なんだというようなとらえ方をしていただき、身近なところにも工夫の仕方により新しい発見気付きを感じてもらうことができるイベントとなりました。テントの活用・そこでの宿泊キャンプにより自然、安全、防災の視点が生まれ、そこにコミュニケーションが発生します。
この公園を起点として、自分たちが楽しめて、さらに新しい発想による都市公園の活用がまちづくりに発展し、行政と愛護協会と市民が相互に協力する価値をもちます。フォーメーションの枠をもっとアップしたステージしていくことになります。
公園は、名前にあるように水際にあり、しかも水に親しむことができる公園という特徴と都市空間に存在する公園です。都市ならではの機能を持たせるのは、市民の創造性とその意識に働きかける行動が結び付いて生まれます。その原動力となるのが、共通に楽しめるコミュニケーションを作り出していく、まちを楽しむマインドのある市民性から生まれてくることを期待するとともに、当愛護協会をみなさまが上手に活用して頂ければこんなうれしいことはありません。
(※CSR-NPO未来交流会の講演に加筆 2016.0816)